「調書の提出が求められる?今度の確定申告」 その1
税務コラム - 2015年11月27日

「財産債務調書とは何か」

■所得税確定申告に添付する財産債務調書

平成27年分の所得税確定申告は平成28年3月15日まで。この申告分から、一部の富裕層には「財産債務調書」の提出が求められることになるので注意が必要だ。これまでは、一定の所得要件の申告者について、「財産及び債務の明細書」を申告書に添付して提出することになっていたのだが、来年申告分から、「財産債務調書」に統一化される。

■財産債務調書提出の2要件

総所得金額(山林所得含む)の合計額(注1)2000万円超

(注1)申告分離課税所得ある場合、それらの特別控除後の金額で、繰越控除(※)ある場合には、その適用後の金額

※ 純損失又は雑損失、居住用財産の買換え等の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、譲渡株式等に係る譲渡損失、特定中小会社発行株式に係る譲渡損失、先物取引の差額等決済に係る損失

年末時点の財産3億円以上、又は1億円以上の国外転出特例財産(※1)を有する所得税確定申告該当者(※2)

(※1)国外転出特例対象財産とは、国外転出時課税制度の対象となる次の財産
  • a.有価証券(国債等の債権、社債、投資信託、株式など(金商法第2条第1項))その他これに準ずるもの、又は匿名組合契約の出資持ち分
  • b.未決済信用取引等に係る権利(金商法第156条の24第1項)
  • c.未決済デリバティブ取引にかかる権利(金商法第2条第20項)
  • b.c.について含み損を含めて判定する。

(※2)年の中途で死亡又は翌年3月15日までに死亡した場合、財産債務調書の提出要しない。

■該当者は財産債務調書提出義務化へ

このように一部の富裕層について、財産債務調書の提出が義務化される。
該当者は来年の確定申告に向けて、保有する財産及び債務を一定項目ごとに時価評価して準備していく必要があります。
次回以降、この制度について詳しく紹介したい。

■このコラムのポイント

  1. 平成27年分の所得税確定申告より「財産及び債務の明細書」から「財産債務調書」へ
  2. 総所得金額2000万円超かつ年末時点の財産額3億円以上などの一部富裕層が対象になる。
  3. 該当者は来年の確定申告に向けて、財産リストなど準備していく必要があります。

このコラムの執筆税理士

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