「平成27年度税制改正の概要」 その6
税務コラム - 2015年05月01日

「教育資金贈与に加え、結婚子育て資金贈与も非課税に」

■教育資金贈与とは

子・孫(30歳未満の者)の教育資金に充てるため、その父母・祖父母(直系尊属)が金銭等を金融機関で信託等を通じて支出した場合、受贈者(子・孫)一人あたり1500万円(学校等以外500万円)まで贈与税が非課税となる制度。制度開始から2年で数千億円にのぼっているようです。適用期限は2015年末までとされていましたが、2019年3月までに延長されることとなりました。

■結婚子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度

20歳以上50歳未満の者の結婚・子育て資金に充てるため、その直系尊属が金融機関で信託等を通じて金銭を支出した場合、受贈者一人あたり1000万円(結婚費用は300万円まで)まで非課税とされる制度。その支出の内容は以下の通り。

  • 結婚に際して支出する婚礼費用。
  • 住居に要する費用及び引っ越しに要する費用のうち一定のもの。
  • 妊娠、出産に要する費用、子供の医療費及び子供の保育料のうち、一定のもの。

■贈与非課税制度の注意点

両制度とも、贈与した時点では贈与税かからず、相続が発生した時点で未費消の残高に課税されない点で相続税の節税にはなると思われます。但し、金融機関への信託等が必要なこと、一定年齢(教育資金等は30歳、結婚子育て等は50歳)に達した時点で未費消の残高は贈与税の対象となるので注意が必要です。

一方、贈与税の制度上、年110万円までの贈与について贈与税がかからず、もともと「扶養義務者相互間の生活費・教育費等」については、非課税となっているので、上記の信託制度を活用せず、これらの制度をうまく活用していけば、贈与税がかからず、子や孫に贈与していくことも考えられるでしょう。

相続税の基礎控除が引き下げとなり、相続税節税を考える上で、生前贈与対策は有効な手段の一つとなりますが、上記のようないくつかの手法がありますので、どの制度を活用するのかは、是非専門家等ご相談ください。

■このコラムのポイント

  1. 教育資金贈与非課税制度は、2019年3月まで延長へ。
  2. 結婚子育て資金贈与非課税制度創設へ。
  3. 上記どちらも信託制度等の利用が必要。年110万円、「扶養義務者相互間の生活費・教育費等」非課税制度も有効。

このコラムの執筆税理士

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