「平成27年度税制改正の概要」 その5
税務コラム - 2015年04月10日

「事業承継税制拡充により、贈与税課税緩和へ」

■事業承継税制とは

中小企業の後継者が、現経営者から会社の株式を承継する際、相続税については非上場株式等の80%相当の相続税の納税が猶予され、贈与税については100%納税が猶予された後、後継者の死亡等により納税免除される制度です。対象となる主な要件は以下のとおり。

(会社要件)
一定の中小企業者であること(上場企業、風俗営業会社、資産管理会社除く。
従業員がいること。

(経営者)
対象会社の代表者であったこと。
議決権株式総数の50%超を保有し、かつその同族関係者内で筆頭株主であったこと。

(後継者)
相続(贈与)開始直前において対象会社の役員であったこと
後継者と同族関係者で議決権株式総数の50%超の株式を保有、かつ同族関係者内で 筆頭株主。

(継続要件)
申告期限から5年間、事業を継続すること。
承継後5年間平均で、雇用の8割以上を維持すること。 現経営者は贈与時までに代表者を退任すること(有給役員として残留も可)

■贈与税の納税猶予の改正点

先代が存命中に、贈与税の納税猶予制度の適用を受けている2代目が3代目に上記株式を贈与した場合、2代目は納税猶予されていた贈与税を納税しなければなりませんでしたが、今回の改正により、納税猶予されている贈与税は免除されることになります。

社歴の長い企業ほど財産が蓄積され、株価も相応の金額になると相続税の負担が大きくなるため、納税猶予制度を活用することで2代目、3代目に承継させる場合の税負担を軽減することができます。

これらの制度を利用するに当たっては、「経済産業大臣の認定」のための申請などの手続きが必要になります。 その他、適用にあたっては上記以外にも要件等がありますので、必ず専門家に相談すること。

■このコラムのポイント

  1. 中小企業の株式相続・贈与にあたり、要件に基づき申請することにより、納税猶予・免除される制度がある。
  2. 改正により先代が存命中に2代目から3代目に対する株式贈与する場合、先代からの納税猶予分が免除されるよう制度が拡充される。

このコラムの執筆税理士

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