「シリーズ法人税改革」 その3
税務コラム - 2014年08月22日

「国外事業者への消費税課税は実現するか?」

■同じサービスでも消費税が課税されない

アマゾンは、年会費99ドルで、音楽配信サービスを開始した。100万曲以上を追加料金なしで配信するという。日本での展開はまだだが、もし日本でのサービスを開始したとしても、現行法では、消費税は課税されない。一方、楽天がこれと同じサービスを展開しても消費税は課税されてしまう。 電子書籍サービスでも同じことで、アマゾンは課税されず、楽天は課税。

■消費税が課税される取引 

なぜ、このようなことが起こるのか?  消費税は、「国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税」されることとなっている。 役務提供地が国外である場合は国外取引となり課税されず、役務提供地が不明の場合でも、役務提供者の事務所等の所在地が国外か否かで課税判定されることとなる。このため、電子書籍・音楽・広告の配信などの役務提供について、国内事業者が行う場合については課税される一方で、国外事業者が国境を越えて行う場合には、国外取引として不課税となるため、米国等からアマゾンが日本のユーザーに対して音楽配信を提供しても、課税されないことになるのだ。利用者にとっては歓迎されるべきことだが、事業者間で競争条件にゆがみが生じていることとなっている。

■2つの改革案

(1)事業者向け取引に係るリバースチャージ方式 国外事業者が行う事業者向けサービスについて、国内事業者に申告納税義務を課す方式で、国内事業者が申告納税を行うことになる。

(2)消費者向け取引に係る国外事業者申告納税方式 国外事業者が行う消費者向けの役務提供について、国外事業者に申告納税を課す方法で、音楽配信等国外からの役務提供に対し、国外事業者が日本国での申告納税を行うことになる。

   

内外課税判定基準を「役務提供者の所在地等」から「役務提供を受ける者の住所等」に変更することなどにより、消費税の課税問題の解消が期待されることに期待したい。 

■このコラムのポイント

  1. 同じサービスでも事業者の所在地によって消費税の課税関係が変わることがある。
  2. 役務提供地が不明の場合でも、役務提供者の事務所棟の所在地に基づくこととされる。
  3. 課税判定基準は、役務提供者所在地基準から役務受給者所在地基準へ

このコラムの執筆税理士

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