平成26年度税制改正 法人関連税制実務対策 その8
税務コラム - 2014年05月02日

「外形標準課税見直しで増税?」

■外形標準課税とは

下記表は、平成26年4月1日以後開始年度の法人所得に対する標準税率です。資本金1千万円以下の法人が赤字の場合には、住民税均等割(標準額7万円)のみ納税し、赤字(青色欠損金)は最大9年間繰り越せることになる。

課税所得金額 法人税
(控除額)
住民税 事業税
(控除額)
地方法人特別税 表面税率
年400万円以下 15% - 法人税割
×17.3%
+均等割 2.7% - 事業税額×81% 22.482%
~年800万円 4.0% 5.2万円 24.835%
年800万円超 25.5% 84万円 5.3% 15.6万円 39.505%

一方、資本金1億円超の法人に対しては、上記事業税に換えて、外形標準課税なる税金が課され以下の算式により課税される。

付加価値割(損益+報酬給与+純支払利子+純支払賃貸料)0.504%+資本割×0.21%

■赤字でも課税される外形標準課税

なんと外形標準課税が将来、中小企業にも課税されるようになるかもしれない。

税制調査会は「地域税収の偏りがあり」「地域の受益者負担を求める」として資本金1億円以下の法人に対しても適用検討すすめている。課税されるとどうなるか次のケースを見てみよう。

売上3億-仕入2億-給与6千万-家賃1千万-その他3千万-借入利息1千万=利益▲1千万円 現行なら均等割7万円となり赤字は9年間繰越となる。

ところが外形標準課税適用されるとなると、次の試算となる。(※雇用安定控除など特例考慮せず)

(▲1千万+6千万+1千万+1千万)×0.504%+資本金1千万(仮定)×0.21%≒約38万円※

どうでしょうか。このように赤字でも給与や家賃等の支払額に応じて課税されるのがこの税制の違和感あるところだろう。

■今後の税制改正議論に注目

平成26年4月からの消費税8%には、実は地方消費税として1.7%(3月まで1%)が含まれている。
法人実効税率引下げ議論高まる中、地方税の偏りをどう是正するかは国と地方の分配の問題であり、地方の税収不足を赤字でも一定の負担を求める税制が本当によいのか、議論待たれるところです。

■このコラムのポイント

  1. 外形標準課税は、付加価値割(損益+報酬給与+純支払利子+純支払賃貸料)と資本割に課税
  2. 外形標準課税は対象法人1億円超から、改正により中小企業にも課税されるかも?

このコラムの執筆税理士

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